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100%プレコンシューマー材のヒンジキャップを2023年度中に商品化!

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100%プレコンシューマー材のヒンジキャップを2023年度中に商品化!

加工ロスを廃棄しない取り組み

アスカカンパニーの5種類の環境テーマ『社内加工ロスのアップサイクル推進』のマテリアルリサイクルの話です!

今までのおさらい

2022/9/28のブログにて、100%プレコンシューマー材製品開発のご紹介をしました。簡単に言うと、プラスチック製品を生産するときに出てきた加工ロス等を社内で粉砕してフレーク状にし、それを原料にして新たなプラスチック製品を作る取り組みです。この取り組みは、物から物へリサイクルされることから「マテリアルリサイクル」と呼ばれます。

弊社では、プレコンシューマー材を使ってオリジナル製品である「AS16ヒンジキャップ」を成形しTOKYO PACKで展示しました。

プレコンシューマ材のライフサイクル
アスカカンパニーが考えるマテリアルリサイクル

日本でのマテリアルリサイクル 「マテリアルリサイクル」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか? 日本で上手く循環している身近な事例では、PETボトルや牛乳パック、食品用トレイ、アルミ缶、ビンなどが ...

 

 

予想外の不具合?!

TOKYO PACKにて試作品を展示したところ多くの方に興味を持っていただけたので、量産に向けて詳しく評価を行いました。すると、予想していなかった外観や機能の不具合(致命的ではないが現行と比べると劣ってしまう部分)がいくつか見つかったのです。

何かを達成しようとすると何かが犠牲になってしまうことはよくありますが、この製品も環境に配慮した仕様にすると外観や使用感に影響が出てしまうようです。環境対応という価値で、現行より劣ってしまう部分に目をつぶっていただけると有難いのですが…日本ではまだ難しいのかなという印象です。

 

なぜ不具合が?

その理由として考えられるのは、プレコンシューマー材の銘柄=通常原料の銘柄ではないことが挙げられます。
ここで、用語の整理をしておきたいと思います。
まず、原料とは、例えば「ポリプロピレン」、「ポリエチレン」などの原料の種類のことを言い、銘柄とはポリプロピレンの中の【品番】や【グレード名】のことを言います。

そしてプレコンシューマー材とは、プラスチック製品の製造工程において発生した廃棄物を再利用した材料のことで、「消費者による使用」を経ずに使用されるためこう呼ばれています。

アスカカンパニーでは、市場にあるたくさんの原料の中から、その金型と製品に最適な原料と銘柄を選んで使用しています。
そのため、原料の銘柄が異なるだけでも製品の品質に何らかの影響が生じることがあるのです。

それでは、通常原料の廃棄物をプレコンシューマー材として使えばいいのでは?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
その通りなのですが・・・プレコンシューマー材は日々の生産の中で生じる副産物のようなもので、その中は様々な銘柄・量も様々に存在しています。
そんなプレコンシューマー材の銘柄にこだわることは簡単ではありません。
また、環境への配慮を念頭に置くと、プレコンシューマー材を幅広く有効活用できる製品開発が必要だとも考えています。

 

商品化へ向けて!

今後、なるべく現行品に近づけることができるよう、金型改造も視野に入れて取り組みを進めていく予定です。
すでにいくつかの媒体(日刊工業新聞社 2022/11/24の記事など)で「2023年秋に100%プレコンシューマー材ヒンジキャップの量産体制を構築する」と発表しています。
そのため、予想外の不具合に焦っている状況ではありますが、「2023年度中の商品化」という目標があるため、そこに向かって課題解決に取り組んでいかなくてはいけません。
加えて、原料調達・管理方法の仕組み作りや社内周知などの体制を整えていくことも必要なのでここからは「体制の構築」と「製品開発」の二本柱で活動を進めます。
今年度中には販売のご案内ができると思いますので、お楽しみに!

 

最後に、環境省が実施しているプラスチック・スマートの『作る』の参考事例として当取り組みを取り上げられておりますので、ぜひご覧ください!

令和4年度プラスマ参考事例リスト

紹介ページ:マテリアルリサイクルから生まれた『AS16ヒンジキャップ』


Writer:のっちー

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