日本でのマテリアルリサイクル
「マテリアルリサイクル」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?
日本で上手く循環している身近な事例では、PETボトルや牛乳パック、食品用トレイ、アルミ缶、ビンなどが自治体や量販店店頭などで回収されて再度製品に生まれ変わっているものが挙げられます。
皆さんご存知のように、それらの回収時にはきちんと洗浄して、定められた内容に沿った分別が必要です。洗浄が不十分だったり分別がきちんとできていなかったりすると、異物が混入することになり、リサイクル製品の品質が下がってしまいます。また、回収・リサイクルを事業として成立させるためにはまとまった量が必要となるため、消費者を巻き込んだ新たなマテリアルリサイクルを始めることは難しいのが現状です。
プラスチックのマテリアルリサイクル
プラスチックのマテリアルリサイクルは、回収された後、選別や不純物除去(洗浄する場合もある)→粉砕(フレーク状)→洗浄されます。
それを更に溶かして再度ペレット状にすることもありますが、それらを原料として再度プラスチック製品にすることで行われています。
2020年にマテリアルリサイクルされたプラスチックは173万tで、そのうち産業系廃プラスチックが106万tであり、一般系廃プラスチックの約1.6倍となっています。
これは産業系廃プラスチックの品質や排出量が比較的安定しているため再利用に回される割合が大きいためとされています。
(プラスチックリサイクルの基礎知識2022/一般社団法人 プラスチック循環利用協会 より)
アスカカンパニーが考えるマテリアルリサイクル
では、プラスチック製品の成形メーカーであるアスカカンパニーとしてできるマテリアルリサイクルとは?現在の取組み2つに加え、新たに始めた取り組みをご紹介します。
アスカカンパニーでは、プラスチック製品を製造する際の加工ロス(条件調整時の成形品や、色や原料を変更する時に成形機から排出するプラスチックの塊等)や、品質検査のために抜き取った成形品などを廃棄しています。
① リサイクル事業者に委託
これらはそのまま雑多に取り扱うと産業廃棄物として廃棄するしかありません。しかし原料毎や色調にも注意して分別すると、産業系廃プラスチックとしてリサイクル事業者によって回収、マテリアルリサイクルすることができます。
② 一製品の製造ライン内でマテリアルリサイクル
プラモデルを組み立てた経験はありますか?
その際、部品一つ一つをプラスチックの枠から切り離されたのではないでしょうか。
アスカカンパニーの多くの成形品にも、そのような枠に似た「ランナー(スプルー)」と呼ばれるものが付いています。
このランナーを原料の一部として、マテリアルリサイクルしている事例があります。
成形品からランナーを自動で切り離し、ロボットが粉砕機に運び、粉砕します。
その粉砕片は自動で原料供給部分に送られ、同じ成形品の原料の一部としてマテリアルリサイクルされる仕組みです。
生産中に成形機の隣で粉砕されその場で原料として循環する、効率がよい事例です。
次に、新たに始めた取り組みについてご紹介したいと思います。
③ 100%プレコンシューマ材を用いた製品開発
プレコンシューマ材とは、JIS Q14021では「製造工程における廃棄物の流れから取り出された材料。その発生と同一の工程で再使用できる加工不適合品、研磨不適合品、スクラップなどの再利用を除く。」と定義されています。
アスカカンパニーでもプレコンシューマ材に該当する廃プラスチックが発生しており、これを用いた製品開発を行いました。
社内で粉砕やリペレットを行う事でトレーサビリティを確保しています。
製品機能も従来の製品と同等で、問題なく使用して頂けます。
2022/10/12~14に行われますTOKYO PACKにも展示させて頂きます。
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是非、お手に取ってご確認下さい!
アスカカンパニーは環境省が取組むプラスチックスマートに賛同しており、この取組みもそれに沿ったものです。
これからも私たちに今できることを考え、実践して参ります。
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