実際に成形品を試作してみました
前回は海洋生分解性バイオマスプラスチック(以下MBBP)開発プラットフォームの活動として、PP×デンプンマスターバッチ(SMS社製 TAPIOPLAST TPS)の混錬についてご紹介させて頂きました。
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海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後2
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今回は、その混錬樹脂での成形品試作の様子を少しご紹介したいと思います。
いざ成形!
PP×デンプンマスターバッチ(SMS社製 TAPIOPLAST TPS)樹脂にて、今回はカップ容器で成形をしてみました。
成形を始めると、その空間が何だか香ばしいような、キャラメルポップコーンのような・・・甘い香りに包まれました。
デンプン由来の香りです。
思いの外、成形は問題なくできました。
ですが・・・念のため・・・と成形機のスクリューを確認したところ、やっぱり。。。
押出機同様に、スクリューに異物が付着していました。
異物除去に二人掛りでほぼ半日、なかなか骨の折れる作業。
何か改善策を考えたいところです。
成形品はどんな感じ?
実際の成形品はどんな感じかというと・・・。
デンプンが入っている、ということでPPのような透明性はありません。
匂いは・・・ほのかに甘い香りがします。
重量はPP単体と比較すると、デンプン比率20%で9%UPしていました。
寸法は1%にも満たないほどですが、若干高さ、径方向ともに大きくなっていました。
衝撃強度の低下がみられましたので、これも取り組むべき課題です!
MBBP開発プラットフォームは注目されている!?
授業の一環でMBBPについて調べていらっしゃる高校生から、学校で使われているプラスチックをMBBPに切り替えられないか?と弊社HPにお問い合わせを頂きました。
MBBP開発プラットフォーム(http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/mbbp/about.html)の代表幹事、大阪大学大学院工学研究科の宇山教授にもコメントを頂き、現状を回答させて頂いております。
まさか高校生からお問い合わせを頂くとは予想もしておりませんでしたが、それだけ注目頂いている取組みということ。
ありがたく感じると同時に、ASKAもしっかりと取り組んでいかなければならない、そう襟を正すよい機会となりました。
アスカカンパニーでは今回の試作評価の結果で明らかになった課題に取り組んで参ります!
今後の進捗についても随時お知らせ致しますので、引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。
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海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後4
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Marine-Biodegradable Biomass Plastics(MBBP) MBBP プラットフォーム代表幹事
宇山 浩(大阪大学大学院工学研究科・教授)
徐 于懿(大阪大学大学院工学研究科・助教)