前回の記事では、ヒンジキャップのヒンジ部分の違いによるキャップの違いをご紹介させていただきました。
今回はヒンジキャップ以外の製品へのアスカカンパニーでの『ヒンジ』使用事例をご紹介させていただきます。
V100折り畳みスプーン
こちらのスプーンの特徴はなんといっても、折り畳みが可能なことです。
スプーンを別添する際には限られたスペースにスプーンを入れる「収納性」と、使い勝手のいい「サイズ感」が重要なポイントになってきます。
これらは通常オフセットの関係で、収納性をよくするとスプーンのサイズがコンパクトになる反面、小さくて使いにくい形状になってしまいます。
反対に、使いやすいサイズにすると収納性が悪く、限られたスペースに収まらない状態になってしまいます。
折り畳みスプーンはこれらの二面性を持ったテーマを解消すべく開発された商品です。
収納時には折りたたまれてコンパクトになっていますが、使用するときには組み立てることで使いやすい長さ(全長100mm)になります。
左から:梱包形態、ヒンジ部を伸ばしたところ、セット形態(使用時の形態)
ヒンジが切れてもセット問題なくセットが出来る
このような組み立て品は2つの形状となりますので、金型が別になってしまいコストを圧迫するのですが、ヒンジでつなぐことで一体になっており金型1面で生産が可能となっております。
また、仮に使用しているうちにヒンジが切れてしまったとしても、ヒンジのあるなしに関係なく嵌合するように出来ておりますので、問題なくご使用いただけます。
こちらの商品につきましては、アスカカンパニーの特許登録がされております。
AS-ピルケース
二つめの商品はAS-ピルケースです。
こちらの商品は錠剤などを持ち運ぶ際に使い勝手のよいサイズ感の製品です。
容器とフタが一体になっておりますので、中身を充填する際も効率的な組み立てが可能になります。
ヒンジ部分はこのように、薄くスマートに出来ています。
外側から見たヒンジ部
内側から見たヒンジ部
まとめ
今回ご紹介させていただきました商品は二種類ともに販売可能な自社製品となります。
どちらもヒンジの技術を利用した、商品となります。
ヒンジ技術はこのようにキャップ以外にも幅広い用途で使われる技術です。
ヒンジ部分は非常に薄肉になっており、設計に特徴があるためゲート位置の調整など複雑な技術が詰め込まれております。
一体化することで、様々なメリットがあります。
▽ ヒンジキャップについてもっと知りたい ▽
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