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コーヒー豆で環境を考えてみた 4

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コーヒー豆で環境を考えてみた 4

再利用の取り組み

射出成形機で成形されたプラスチックは、製品とランナーに分かれます。
射出成形における『ランナー』とは?
現物を入手したので、写真と共にご説明します。
こちらは、弊社オリジナルのAS16キャップです。

このAS16キャップが生産される際、製品をつくるために『ランナー』というものが発生します。
ランナーは、金型内で製品に樹脂が流れ込む入口となっており、樹脂の通路になっています。
AS16キャップの上部から繋がっているのがランナーです。

ランナーと製品が繋がっている先端(ゲート)は直径0.7mmほどです。
金型内で切断されて製品と分かれ、ランナーは粉砕機で粉砕、再利用しています。
AS16キャップは1回(1ショット)で16個つくれるため、全体でみると以下のようになります。
せっかくなので、様々な場所で撮ってみました。

 

 

このランナーは製品から切り離された後、粉砕して樹脂として再利用しつつ生産がなされます。
しかし、そのランナーも製品や樹脂の特性上、再利用できず廃棄となってしまうものもあります。
廃棄物は、ないに越したことはありません。
チャフも同様に、お客様より産業廃棄物になっているとご相談いただいてから、新しい姿に変身させることはできないかと考えてきました。
そして今回、自社で廃棄となってしまうランナーをマテリアルリサイクルさせ、チャフと混合して、スプーンを試作してみました。その取り組みをご紹介します。

 

チャフを活用した取り組み~その2~

まず、チャフ入りMB(マスターバッチ)を生産します。
MBとは、プラスチック用の着色剤のことをいいます。
弊社にはMB製作の機器があり、少量のMB生産を行っています。

今回は、このMBに『プラスチックではないチャフを練り込む』という難易度の高い生産に挑戦しました。
MBにチャフを練りこむには、そのままのチャフではサイズがバラバラで、大きい塊があると成形時に詰まりの原因にもなるため、チャフを粉砕する必要があります。
今回は、コーヒーの粉砕にも使われる『ミル』を使用して粉砕しました。

今回使用する『ミル』の粉砕能力は、25,000回/分です。

 

粉砕前のチャフはこのようなふかふかした見た目をしています。

約1分間、粉砕すると、サラサラの粉末状になりました。

タンブラーで粉砕済みチャフと樹脂を混合し、2軸強混錬押し出し機で、チャフ入りMBを試作します。

タンブラーに入れる原料

成形前の樹脂とチャフの粉体

押し出し機による成形

押し出し機による成形中

ペレタイザーでカットすると写真のようなチャフ入りMBができます。

ランナー粉砕片をベース原料として使用したMBにチャフを混錬した場合のMBはこのようになります。

チャフ入りMBの試作は問題なかったのですが、清掃可能な軽度ではありましたがスクリューの汚染がありました。

以前、コーヒーカスと混錬したMBを生産しました。この汚染は、その時には見られなかった現象です。そこで、コーヒーカスとチャフの違いを考えてみました。どちらもコーヒー豆由来ですが、チャフは焙煎後にコーヒーを抽出する前に除去されます。それに対し、コーヒーカスはコーヒーを抽出した後の残りカスです。熱湯による抽出の有無が、チャフとコーヒーカスの差だと考えると、コーヒー豆(チャフ)に含まれる酸が悪さをしているのではないか、と推測しています。

この結果は、今後の課題として考えていくことにします。次回はいよいよ、チャフMBを活用してスプーンの試作を行った様子をお伝えします。引き続き、お付き合いいただけますと幸いです。

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