アスカカンパニーは、プラスチック廃棄を減らす取り組みの一つとして『マテリアルリサイクル』に注力しています。
これは、生産プロセスで生じたロス材等を社内で粉砕し、再び原料として新たな製品を生み出す手法です。
欧州のPPWR(包装・包装廃棄物規則)によるリサイクル材の使用義務化の動向など、世界的にリサイクル材活用の義務化が進む中、アスカカンパニーでは自社製品であるASシリーズを対象とした試作を積極的に実施してきました。
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これまでの試作は概ね良好な結果が得られていました。
しかし、軽量化やバイオプラスチックに比べると、マテリアルリサイクルは「環境対応」としてのメリットが伝わりにくいという課題もあり、実際の製品採用は一部に留まっていました。
そんな時、弊社と取引があるお客様から「マテリアルリサイクルの試作をしたい」との打診をいただきました。
これまでの知見を活かせる良い機会であり、マテリアルリサイクルに関するニーズや課題など、自社製品の試作だけでは分からなかった気づきを得られるのではないか?という期待もあり、協力させていただくことにしました。
2段階の検証プロセス
今回、試作に使用したのはチューブ容器に使用される「スクリューキャップ」です。
使用する材料やリサイクル材の配合比率が成形性や寸法・機能にどう影響するかを確かめるため、2段階で試作を行いました。
1回目:同一製品のリサイクル材による検証
まずは、「同一製品・同一色」のロス材のみを回収・粉砕して使用しました。
水準は「バージン材70%+リサイクル材30%」と「リサイクル材100%」の2パターン。
これらを黒色に着色して成形したところ、成形性・寸法・機能ともに現行と同等であることが確認できました。
2回目:複数製品が混在したリサイクル材での検証
続く2回目の試作では、「製品・色調が混在した状態」のロス材を使用しました。
1回目と同様の水準で試作を行い、こちらも特に問題はありませんでしたが「寸法」についてある傾向が見られました。
2回目は様々な製品が混在していることから、使用されている樹脂のグレードも混在しています。
検証の結果、「製品中に含まれる特定の樹脂グレードの割合が変化するほど、ある部分の寸法が小さくなる」という傾向があることが分かったのです。
今回の試作では問題になる変化ではありませんでしたが、変化があった箇所は気密性に関わる部分であるため注意が必要です。
今後リサイクル材の実用化を検討する上で非常に重要な結果が得られたと感じています。

左から、通常樹脂、リサイクル材30%、リサイクル材100%にて成形
※リサイクル材に使用した製品の色が混在して完全な黒色ではないが、濃色のため注意深く見比べて判別できるかどうかのレベル
現物より写真の方がまだ分かりやすい。
試作結果でわかったことは
2回の試作を通して分かったことは、「グレードが統一されていないリサイクル材でも現行品と遜色ない品質の製品ができる可能性が高い」ということです。
それに加えて、樹脂グレード割合による寸法傾向に気付けたことも大きな収穫でした。
リサイクル材は一様に「品質が安定しない」「成形性が悪い」というイメージがあります。
今回の試作によって、リサイクル材特有の変動の予測が可能であること、また適切な条件を揃えることで安定した生産ができるという期待を持つことができました。
これらは自社で1度試作しただけでは得られなかった知見ですので、お客様と協力して検証できたことの成果であると感じています。
今後はチューブとのキャッピングテストや経時での機能性評価などを実施し、採用への可能性を探っていきたいと考えています。
自社製品でマテリアルリサイクル試作をしたいとお考えの方。
具体的な構想はないけれど内容に興味がある方。
などなど、弊社マテリアルリサイクルの活動が気になる方は是非、アスカカンパニーまでお気軽にお問い合わせください!
Writer:のっちー




