
近年、化粧品業界では「クリーンビューティー」という言葉が注目を集めています。
環境への配慮が重視されるなかで、化粧品の開発にも新しい視点が求められるようになりました。
しかし、クリーンビューティーには明確な定義がなく、どのような基準で製品開発を進めればよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、クリーンビューティーの基本的な意味から、注目される背景、コスメを選ぶ際の具体的なポイントまでを詳しく解説します。
環境配慮と製品の使いやすさを両立した化粧品開発のヒントとして、ぜひ参考にしてください。
クリーンビューティーとは?
クリーンビューティーとは、人体や地球環境に配慮し、持続可能な視点でつくられた化粧品を指します。
2015年ごろからアメリカを中心に広がった考え方で、日本でも少しずつ認知が広がっています。
ただし、現時点では統一された定義はありません。そのため、各ブランドや企業が独自の基準を設けているのが実情です。
一般的には、環境に負荷をかける成分を避けることや、動物実験を行わないこと、容器やパッケージにも配慮することなどを重視した考え方とされています。
クリーンビューティーの主な要素
クリーンビューティーには、押さえておきたい重要な要素がいくつかあります。
これらを理解することで、製品開発で何を重視すべきかが見えやすくなります。
人体にやさしい
肌に直接触れる化粧品だからこそ、人体への安全性はとくに重視したいポイントです。
クリーンビューティーでは、肌への刺激が気になる成分をできるだけ避け、敏感肌の方でも使いやすい処方が求められます。
たとえば、パラベンやシリコン、合成香料などの使用を控えることで、より多くの人が使いやすい製品づくりを目指します。
地球環境に配慮している
製品の製造から廃棄まで、ライフサイクル全体で環境負荷をできるだけ抑えることが重要です。
生分解性の高い成分を使うことや、再生可能な資源を活用すること、製造過程でのCO2排出を減らすことなど、地球環境への影響を幅広く考える必要があります。
また、容器やパッケージについても、リサイクル可能な素材を選ぶことや、過剰包装を減らすことが求められます。
フェアトレードを推進している
原料の調達においても、倫理的な配慮が必要です。
フェアトレードでは、原料生産地の労働者の権利や生活が守られているか、適正な価格で取引されているかといった点も重視されます。
これも、クリーンビューティーの重要な要素です。
動物実験をしていない
動物実験を行わないクルエルティフリーも、クリーンビューティーの大切な基準のひとつです。
製品開発の過程で動物実験を行わないことはもちろん、原料の段階でも動物実験が行われていないかを確認する必要があります。
オーガニックコスメ・ナチュラルコスメ・ヴィーガンコスメとの違い
クリーンビューティーと似た概念に、オーガニックコスメやナチュラルコスメ、ヴィーガンコスメがあります。
これらは混同されやすい言葉ですが、それぞれ原料の選び方や定義が異なるため、その違いを詳しく見ていきましょう。
オーガニックコスメ
オーガニックコスメとは、有機栽培された植物原料を使った化粧品のことです。
化学肥料や農薬を使わずに育てられた原料を、一定割合以上配合することが求められます。
環境に配慮する点ではクリーンビューティーと共通していますが、オーガニックコスメは認証の取得にあたって厳格な基準を満たす必要があります。
ナチュラルコスメ
ナチュラルコスメとは、天然由来の成分を中心に配合した化粧品を指します。合成成分の使用をできるだけ避けることが特徴です。
ただし「天然由来」の定義は曖昧で、明確な基準が定められていない場合も少なくありません。
ヴィーガンコスメ
ヴィーガンコスメとは、動物由来の成分を一切使わない化粧品です。
ミツロウや卵殻膜、牛乳などの動物由来成分を含まず、製造過程でも動物由来の材料を使わないことが条件です。
動物実験を行わないクルエルティフリーとあわせて、ヴィーガン対応を掲げるブランドも増えています。
クリーンビューティーは、こうした要素を幅広く含む概念です。
人体への安全性や環境への配慮、倫理性など、多面的な視点から化粧品のクリーンさを追求する点に特徴があります。

クリーンビューティーが注目されている背景
クリーンビューティーへの関心が高まっている背景には、社会全体の価値観の変化があります。
ここでは、とくに影響の大きい3つの要因を見ていきましょう。
出典:Grand View Research「Clean Beauty Market (2026 - 2033)」
出典:Grand View Research「Japan Clean Beauty Market Size & Outlook, 2023-2030」
敏感肌を自覚する人の増加
近年、敏感肌を自覚する人は増えています。
ある調査でも、敏感肌だと感じている人の割合は年々高まる傾向にあり、肌にやさしい化粧品へのニーズも強まっています。
刺激の少ない成分を使い、肌への負担を抑えるクリーンビューティーの考え方は、こうした消費者ニーズに応えるものとして注目されています。
出典:株式会社アイピーコーポレーション「敏感肌化粧品の最新市場調査、プレイヤー成功戦略を徹底分析」
SDGsの浸透
2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の浸透も、クリーンビューティーが注目される大きな要因です。
とくに目標12「つくる責任 つかう責任」や、目標14「海の豊かさを守ろう」は、化粧品業界とも深く関わっています。
企業には、持続可能な生産体制の構築が求められています。さらに、消費者の間でも、環境に配慮した製品を選ぼうとする意識が高まっています。
こうした社会の流れの中で、クリーンビューティーは化粧品業界にとって重要なテーマとなっています。
若年層の環境意識の高まり
Z世代やα(アルファ)世代と呼ばれる若い世代は、学校教育を通じて環境問題や持続可能性を学ぶ機会が多く、環境への関心が高い傾向にあります。
製品を選ぶ際にも、その製品が環境や社会にどのような影響を与えるかを重視する人が増えています。
こうした若年層の価値観は、今後の化粧品市場にも大きな影響を与えると考えられます。
環境配慮を打ち出すクリーンビューティーは、次世代の消費者に向けた有力な訴求のひとつといえるでしょう。
クリーンビューティーコスメを選ぶ際のポイント
クリーンビューティーの考え方を製品開発に取り入れる際は、どこに注目すべきかを整理しておくことが大切です。
ここでは、具体的な選定ポイントを解説します。
肌を刺激する成分が入っていないか
クリーンビューティーでは、肌への刺激となる成分の配合を避けることが推奨されています。
なかでも、以下のような成分には注意が必要です。
パラベン
防腐剤として広く使われているパラベンですが、肌への刺激やホルモンへの影響が指摘されています。
クリーンビューティーでは、パラベンフリーの処方が好まれる傾向があります。
シリコン
シリコンは、肌や髪をなめらかに整える成分です。一方で、毛穴をふさぐことや、環境への影響を気にする声もあります。
そのため、ノンシリコン処方を求める声も増えています。
フタル酸エステル
可塑剤(かそざい)や香料の保留剤として使われるフタル酸エステルは、内分泌系への影響が懸念されており、使用を避ける動きが広がっています。
人工香料
人工香料は、肌への刺激やアレルギーの原因になることがあります。
天然香料や無香料の製品を選ぶことで、敏感肌の方でも使いやすくなります。
鉱物油
鉱物油は石油由来の成分で、肌への浸透性が低く、毛穴をふさぐ可能性があるとされています。植物由来のオイルに置き換える選択肢もあります。
マイクロプラスチック
スクラブ剤などに使われるマイクロプラスチックは、海洋汚染の原因として問題視されています。環境保護の観点からも、代替素材の使用が推奨されています。
認証マークを取得しているか
クリーンビューティーやオーガニックコスメには、さまざまな認証制度があります。認証マークは、製品の信頼性を見極めるうえで重要な指標です。
コスモス(COSMOS)認証
コスモス認証は、ヨーロッパの5つの認証機関が共同で定めた、オーガニックコスメやナチュラルコスメの国際基準です。
原料の由来や製造工程、パッケージに至るまで、厳格な基準が設けられています。
出典:コスモス認証公式サイト
出典:エコサート「COSMOS(ナチュラル&オーガニック化粧品)」
エコサート(ECOCERT)認証
フランスに本部を置く国際有機認証機関のエコサートは、オーガニック化粧品の認証を行っています。成分の由来や、製造工程における環境負荷など、幅広い項目が審査されます。
出典:エコサート認証公式サイト
JNOCA認証
日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会が設けている認証で、日本の基準にもとづいたオーガニックコスメの認証制度です。
国内ブランドにとって、取り組みやすい認証といえます。
出典:一般社団法人 日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会「JNOCA認証」
RSPO認証
RSPO認証は、持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための国際的な認証制度です。
化粧品に使われるパーム油由来成分についても、この認証を取得することで、環境に配慮する姿勢を示せます。
出典:Roundtable on Sustainable Palm Oil
エコヴァディス(EcoVadis)認証
エコヴァディス認証は、企業のサステナビリティを評価する国際的な認証制度です。
環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の4つのテーマで、企業活動が評価されます。

原料の調達先は公表されているか
クリーンビューティーにおいては、原料のトレーサビリティ、つまり追跡可能性も重要な要素です。
原料がどこでどのように生産されているのか、労働環境に問題はないか、環境破壊につながっていないかなど、調達先の情報を公表することで透明性を高められます。
消費者や取引先から信頼を得るうえでも、原料調達に関する情報開示は有効な手段といえるでしょう。
ブランドや製品の口コミは良好か
実際に製品を使った人の声は、製品開発において貴重な情報源です。
口コミサイトやSNSでの評判を確認することで、製品の使用感や効果、肌への影響などを把握できます。
また、自社製品の口コミを分析すれば、改善点や強みを見つけやすくなります。
そうした気づきを、次の製品開発に活かすこともできます。
容器やパッケージも要チェック!
アスカカンパニー株式会社が実施した独自のアンケート調査によると、容器のキャップや蓋が「開けにくい」「閉めにくい」と感じた経験がある人の中で「滑って開けにくかった」(51.2%)「指先や手が痛くなった」(47.3%)「開閉に時間がかかった」(41.0%)といったストレスが報告されています。
このように、容器の使いやすさは製品の満足度に直結する重要な要素です。
クリーンビューティーを考えるうえでも、中身の成分だけでなく容器やパッケージにも目を向けることが欠かせません。
いくら処方がクリーンでも、容器に環境負荷の高い素材を使用していては、本当の意味でのクリーンビューティーとはいえません。
容器選びのポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
- リサイクル可能な素材を使用しているか
- 過剰な包装を避けているか
- 詰め替え可能な設計になっているか
- 製造から廃棄までの環境負荷が低いか
近年では、スパウトパウチのような軽量で省資源な容器も注目されています。
スパウトパウチは従来の硬質容器と比較して使用する材料が少なく、輸送時のCO2排出量も削減できます。
さらに、使い終わった後はコンパクトに折りたたんで廃棄できるため、廃棄物の削減にもつながります。
環境配慮を優先するあまり、キャップの開けにくさやポンプの使い心地が損なわれてしまっては、ユーザーの満足度が下がってしまいます。
環境配慮と利便性は、決してトレードオフの関係ではありません。
両立させることこそが、真のクリーンビューティーといえるでしょう。
たとえば、アスカカンパニー株式会社のASシリーズは、デザイン性の高いキャップパーツと優れた使いやすさを兼ね備えたスパウトパウチを提供しています。
ブランドの世界観を表現しながら、環境配慮も実現できる容器として、多くの化粧品メーカーに選ばれています。
「クリーン以外は問題がある」というわけではない
クリーンビューティーへの関心が高まる一方で、注意したい点もあります。それは「クリーンではない製品には問題がある」と極端にとらえないことです。
「天然成分=安心」というわけでもない
天然成分だからといって、すべての人に安全とは限りません。
植物由来の成分でも、アレルギー反応を引き起こす可能性はあります。
たとえば、ウルシやハチミツのように、天然由来であってもアレルギーの原因になる物質は少なくありません。
厚生労働省も「『ナチュラル(天然)』は必ずしも『より安全』または『よりよい』を意味するとは限りません」と注意を促しています。
天然成分と合成成分のどちらがよいかと単純に分けるのではなく、それぞれの特性を理解したうえで、目的に応じて適切に選ぶことが大切です。
出典:厚生労働省eJIM(イージム)「『ナチュラル(天然)』は必ずしも『より安全』または『より良い』を意味するとは限りません」
環境配慮などの代替案が本当にクリーンなのかまで考えよう
環境に配慮した選択をする際は、その選択が本当に環境負荷の低減につながっているかを確認することも重要です。
たとえば、プラスチック容器を紙製パッケージに変えたとしても、その紙の製造過程で多くのエネルギーや水を使っていれば、全体の環境負荷がかえって大きくなる可能性もあります。
そのため、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷を評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)の視点が欠かせません。
表面的な「エコ」の印象だけで判断せず、データにもとづいて客観的に評価することが求められます。
まとめ
クリーンビューティーとは、人体への安全性や環境への配慮、倫理性など、さまざまな視点から化粧品の「クリーンさ」を考える概念です。
統一された定義はありませんが、敏感肌を自覚する人の増加やSDGsの浸透、若年層の環境意識の高まりを背景に、今後ますます重要性が高まっていくと考えられます。
製品開発では、肌にやさしい成分を選ぶことに加え、認証マークの取得や原料調達の透明性を確保することも求められます。
そして、見落とせないのが容器やパッケージへの配慮です。
中身だけでなく、製品全体でクリーンビューティーを体現することが、ブランドの信頼性向上につながります。
環境配慮と利便性を両立した容器をお考えなら、アスカカンパニー株式会社のASシリーズをぜひご検討ください。
近年、環境への配慮が求められるなか、スパウトパウチの需要が高まっています。
同シリーズはプラスチック使用量を大幅に削減し、再封性を持たせることで「使い捨てではない、長く使える容器」として進化しました。
特許取得の「出し過ぎを防ぐ調整機能」により、利便性も向上しています。さらに、ラインナップに「黒」を加え、スピーディーな開発体制で、理想の容器づくりをサポートします。
デザイン性の高いキャップパーツと使いやすさを兼ね備えたスパウトパウチで、御社のクリーンビューティー製品づくりをサポートします。ぜひお問い合わせください。
アスカカンパニー株式会社では、スパウトパウチ製品に関するご質問やご相談を承っております。





