まず初めに・・・
アスカカンパニーはプラスチック容器の製造メーカーとして再商品化の義務を負う場合があり、過去のブログでもご紹介させて頂いた通り、プラスチックのリサイクルについて、いろいろ取り組んでおります。
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プラスチックのリサイクル~容器包装~
リサイクルって? もう何年も前から耳にする言葉、『リサイクル』。 再利用や再資源化の意味とされていますが、最近では3Rの考え方が浸透しているため、再利用はリユース、リサイクルは『資源として再利用するこ ...
今回はポストコンシューマーリサイクル原料を使用した試作についてご紹介させて頂きます。
ポストコンシューマとプレコンシューマとは
ポストコンシューマー材料とプレコンシューマー材料について、簡単にご説明させて頂きます。
ポストコンシューマー材料とは
製品として使用された後にリサイクルしたプラスチック材料のことです。
身近な例としては、回収ペットボトルから再生されるプラスチック材料などはこちらに該当します。
プレコンシューマー材料とは
資源プラ協会さまのWebサイトによると・・・
『プラスチック原料の製造過程や成形過程において発生するスプルーやランナー、パージに用いられた樹脂、捨て打ち品、不良品なども廃棄物となります。
これらは“消費者による使用”を経ずにマテリアルリサイクルに供された材料であり、「プレコンシューマ材料」といいます。
読んで字の如く“消費前の材料”という意味です。』
(一般社団法人 資源プラ協会 【資源プラ】もう一度、「ポストコンシューマ」と「プレコンシューマ」という用語についておさらいをしておきましょう!)
過去ブログでのプレコンシューマ紹介
リサイクル事業者さんからご提供頂いた、容リ法で回収されたPPリペレット=ポストコンシューマー材料と自社工場内で発生した廃プラ(プレコンシューマー材料)を使用してAS18パウチスタンドを試作致しました。
成形原料について
原料の状態ではこのような見た目です。
ポストコンシューマー材料は、リペレットされているため粒がそろっており、色目はスモーキーグリーンのような色合いです。
プレコンシューマー材料は、弊社内で生産した白い成形品を粉砕した状態で使用しています。
成形後のAS18パウチスタンド外観について
どちらも成形性及びスパウトパウチ容器を嵌合する際の強度には問題がありませんでした。
ポストコンシューマー材料は、通常のペレット原料とは違い若干匂いがあるのですが、洗剤系の匂いであったり歯磨き粉の匂いであったりと人によって表現が異なりました。
どちらにしても不快な匂と感じるものではありませんでした。
意外!と思われた方も多いのではないでしょうか?
また、写真では見えませんが、小さな異物が見てとれます。
容リ法で回収された様々な種類のプラスチックを分別して、「大部分がPP」とされている材料ですので、多少の異物混合は当然です。
これらをひっくるめて、リサイクル原料の「味」として認知し、用途開発をしていくことがこれからの循環型社会において必要なことなのかもしれません。
機能面の評価『落下時などの衝撃に対する耐久力』
機能面の評価として、AS18パウチスタンドが使用時に破損することがないかを、落下テストにより確認しました。
※この落下テストは通常樹脂による製品のテストと同条件となります。
- 水を入れたスパウトパウチ(350ml)と接続する。
- コンクリート上で約100cm上から縦向きと横向きでそれぞれ5回落とす。
- 割れや変形等が無いか確認する。
落下:縦向き | 落下:横向き | |
プレコンシューマー製 | 〇(破損なし) | 〇(破損なし) |
ポストコンシューマー製 | 〇(破損なし) | 〇(破損なし) |
弊社通常PP製(比較として) | 〇(破損なし) | 〇(破損なし) |
両原料共に弊社内で使用しているPP樹脂品と目立った差はみられませんでした
最後に・・・
今回、ポストコンシューマー材料やプレコンシューマー材料でAS18パウチスタンドの試作評価を行い、今回の落下テストにより一定の耐久力も保持している結果が得られました。
製品によって出来る出来ないは実際にトライしてみないと分からない事もありますし、ユーザー様の意向を伺いながら今後も開発に取り組みたいと考えております。
ポストコンシューマー材料やプレコンシューマー材料で新たな取り組みを考えたいなど、ご興味がございましたら、お気軽にお問合せいただきますと幸いでございます。
ご連絡お待ちしております!
Writer:きまく