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アスカカンパニーを支える『ISO』と『AMS』

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アスカカンパニーを支える『ISO』と『AMS』

アスカマネジメントシステムの構築

経営ツールとしてISO9001:2015版の運用を考える

アスカカンパニーでは2021年1月にISO9001:2015版を認証取得しました。
過去に9001版を取得し、FSSC22000にバージョンアップして運用し、最近の5年間は返上し自主運用してきました。
近年の高齢化社会による労働力不足やコロナ禍など経営を取り巻く環境は急激に変化してきています。
その変化に今までのISO運用では対応出来ない場面が増えてきました。
「人の変更点によるクレーム」、「技能の伝承の遅れ」、「デジタル化への対応」、「文書の停滞や監査のマンネリ化」など。
製造業では同じような悩みが増えたのではないでしょうか。
クレームも減っており毎年成長は出来ているが、理想には届かず停滞感のある状態でした。
打開策を模索するなか、ISO9001:2015版を調査したところ、旧規格では対応できていない構造的な問題にメスを入れる必要性を感じました。
新設された要求事項として「リスクと機会」「パフォーマンス評価」「組織の知識」「分析及び評価」などがあり、経営陣の心に気づきが起こりました。

それはアスカの目指す方向にマッチするものでした。

全体像を俯瞰図で確認するところから

最初に、アスカカンパニーのISO運用の全体像が見えにくかったため、プロセスアプローチ図を作図しました。
要求事項と照らし合わせながら、アスカカンパニー全体を動かしているプロセスとプロセスの繋がりを書き出していきました。
全体像を見ると、組織機能の不足や必要な制度・規定の欠落、経営システムの弱点がおぼろげに見えてきました。
これらを埋めれば完成できるかと言えば、まだ何かが足りません。
アスカカンパニーのマネジメントシステム

 

ISOは経営ツールであり取得することが目的ではありません。
しかし、認証取得から年月を経て、システムが形骸化していることは多くあります。
アスカカンパニーの経営はどのようにスパイラルアップしていくのか、安心して就業できるフローはどのような形が理想なのか。
1年間の中の重要なイベント(制度だけでなく組織や活動体含む)を抽出し、理想とするPDCAサイクルを描き、不足している機能を追加していきました。
最終的にできあがったものはこのような形でした。
①リスクと機会の抽出 ⇒ ②計画策定 ⇒ ③目標管理制度での実行 ⇒ ④測定・分析評価 ⇒ ⑤経営トータルレビュー ⇒ ⑥構造的問題の改善 ⇒ ⑦「人と会社」の成長

AMS-アスカマネジメントシステム体系図

ISO要求事項をベースとした、「人と会社」を成長させるPDCAサイクルを「AMS アスカマネジメントシステム」と呼び、全社員が理解しやすいように体系図を描き、可能な限りコア活動に絞り込み簡素化していきました。

AMS体系図と目標管理制度の関係

『人』がキーとなるシステム『AMS』

目標管理制度と人材育成が2本の柱となり、各課の改善活動をバックアップします。
プロジェクト活動により組織を横断する課題に取り組みますが、組織の壁を乗り越えるため大変な努力を伴います。
しかし、ゴールした後は必ず人の成長を伴っています。
その結果、チームを引っ張るスモールリーダーが育ち、解の無い時代にグループワークで戦う体制を備えていきます。
また、パフォーマンスを重視する国際規格ですので、監査のあり方も変更し、目標管理制度の成果を最大化させることに注力します。

ISOは経営を安定させ継続的に成長させる、人々が安心して就業できる環境をつくるものです。
勝手にISOが頑張ってくれるものではありません。
自分たちでやるべき事をはっきり認識して、優先度をつけて計画的にコツコツと努力していくことが大事です。

AMSは随所に「人」をキーワードとしています。
ものづくりも仕組みづくりも「人」が行います。

AMSは基礎ができたところであり、人々が常に今がスタートラインだと意識し、継続的な改善サイクルを続けることが大事です。

コロナに負けず、この機会に経営の問題を是正し、強みをさらに伸ばしていきたいと思います。

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