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パッケージにユニバーサルデザインを取り入れるには?基本の考え方と設計のポイント 7原則

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パッケージにユニバーサルデザインを取り入れるには?基本の考え方と設計のポイント 7原則

「開けにくい」「どこから開ければよいか分からない」「文字が小さくて読みにくい」など、日々手にするパッケージに、このような不便さを感じたことはありませんか。
日本では高齢化が進んでおり、握力の低下や視力の衰えに配慮したパッケージ設計の重要性が高まっています。
さらに、インバウンド需要の回復により、言語や文化の違いを問わず、誰もが使いやすいパッケージが求められるようになりました。
こうした背景から注目されているのが、ユニバーサルデザインです。
ユニバーサルデザインとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、はじめから誰もが使いやすいように設計する考え方です。
この考え方を取り入れることは、顧客満足度の向上や新たな市場の開拓にもつながります。
本記事では、化粧品や食品のパッケージ開発に携わる方に向けて、ユニバーサルデザインの基礎知識から実践的な導入方法まで解説します。

そもそもユニバーサルデザイン(UD)とは?

ユニバーサルデザインとは、年齢や性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰にとっても使いやすいように考えられたデザインのことです。
UDが考慮する対象は、製品の形や表示だけではなく、構造や仕組み、機能、サービスまで幅広く含まれます。
この考え方は、1980年代にアメリカの建築家ロナルド・メイス教授が提唱しました。
必要になってから不便を取り除くバリアフリーとは発想の出発点が異なり、はじめから誰もが使いやすいことを目指す点が特徴です。
日本では、少子高齢化や国際化が進み、多様な人々がともに暮らす社会になっています。こうしたなかで、内閣府はユニバーサル社会実現推進法を制定し、誰もが暮らしやすい社会づくりを進めています。

パッケージのユニバーサルデザイン化も、その流れのなかにある取り組みです。

 

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインには、設計の指針となる7つの原則があります。すべてを満たす必要はなく、対象製品に合った項目を優先して取り入れることが大切です。

  1. 公平性:誰にでも公平に利用できること
  2. 柔軟性:使う人の好みや能力に合わせて使用できること
  3. 単純性:使い方が簡単で、すぐに分かること
  4. 認知性:必要な情報がすぐに理解できること
  5. 安全性:うっかりミスが起こりにくく、危険が少ないこと
  6. 効率性:少ない力で無理なく使用できること
  7. 空間性:アクセスしやすい大きさと空間が確保されていること

 

ユニバーサルデザインはどのくらい浸透している?

内閣府が実施した令和5年度の意識調査によると、バリアフリーやユニバーサルデザインの言葉と意味を「知っている」と答えた人の合計は74.2%に達しています。
年代別に見ると、もっとも認知度が高いのは60代です。一方で、20代以下でも「ユニバーサル社会」という言葉を知っている層が一定数います。
ただし、言葉自体の認知は広がっているものの、内容まで十分に理解している人は少ないのが現状です。認知が進む一方で、実践や理解の深まりにはなお課題があるといえます。

 

出典:内閣府「令和5年度バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する意識調査報告書」

 

ユニバーサルデザインの重要性が高まっている背景

ユニバーサルデザインの重要性が高まっている背景には、主に3つの社会的変化があります。

 

社会的変化 内容
少子高齢化の進行 65歳以上の割合は年々上昇しており、握力の低下や視力の衰えといった課題を抱える人も増えています。
国際化とダイバーシティの推進 インバウンド需要の回復により、言語を問わず直感的に使えるパッケージの必要性が高まっています。
企業の社会的責任に対する意識の高まり 環境・社会・企業統治を重視するESG投資や、企業の社会的責任を示すCSRの観点から、すべての人に配慮したものづくりが企業評価にも関わるようになっています。

 

ユニバーサルデザインとSDGsの関係

ユニバーサルデザインは、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という理念と深く結びついています。
とくに関係が深いのが、目標10「人や国の不平等をなくそう」です。
年齢や性別、障がい、人種、民族などにかかわらず、すべての人が社会に参加しやすい環境を整えるという考え方は、ユニバーサルデザインの方向性と重なります。
また、目標12「つくる責任 つかう責任」とも関係があります。誰もが使いやすく、廃棄や分別もしやすいパッケージを設計することは、資源の有効活用や環境負荷の低減にもつながります。

出典:SDGsジャパン「SDGsとは」

 

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーは、しばしば混同されますが、考え方には明確な違いがあります。
バリアフリーは、すでにある障壁を取り除く考え方です。
たとえば、使いにくい箇所をあとから改修し、利用しやすい状態に近づける発想です。
一方で、ユニバーサルデザインは、設計段階から誰もが使いやすい状態を目指します。
たとえば階段であれば、計画の段階から手すりの設置やスロープの併設を想定し、さまざまな人が使いやすい環境を整えます。
パッケージでも同じです。
「開けにくい」という声が出てから見直すのではなく、企画段階から多様な使用者を想定して設計することが、ユニバーサルデザインの考え方です。

パッケージにおけるユニバーサルデザインの例

パッケージの開閉に関して、多くの人が日常的に不便を感じています。
株式会社NEXERとアスカカンパニー株式会社が実施した「日常生活における『容器の開閉』とユニバーサルデザインの必要性」に関する調査によると、容器のキャップや蓋が「開けにくい」「閉めにくい」と感じたことがある方(n=205)を対象にした質問では、次のような結果が出ています。
「どのような場面でそう感じましたか?」という質問に対し「手に力が入りにくいとき」(70.2%)がもっとも多く、次いで「手が濡れているとき」(53.2%)「指先が痛い・疲れているとき」(24.4%)という回答が上位を占めました。

 さらに「具体的にどのようなストレスがありましたか?」という質問では「滑って開けにくかった」(51.2%)「指先や手が痛くなった」(47.3%)「開閉に時間がかかった」(41.0%)「イライラした・面倒に感じた」(35.6%)といった具体的な不便が報告されています。

 このように、容器の開閉時に多くの人が日常的にストレスを感じていることが明らかになっており、パッケージにユニバーサルデザインを取り入れる必要性が高まっています。
実際に、ユニバーサルデザインは私たちの身近なパッケージにすでに広く取り入れられています。
ここからは、日常的に目にする製品の具体例を紹介します。

アンケート引用元:容器の開閉のストレス「滑りやすい」「手が痛い」「時間がかかる」が上位!"誰でも軽い力で扱える"ユニバーサルデザインへの需要とは?

力をかけやすい形状のキャップの一例

 

アルコール缶

アルコール缶の蓋には、点字で「おさけ」と記されています。
視覚障がいのある方でも、触って中身を確認できる工夫です。
飲料缶は見た目が似ていることが多いため、視覚に頼らず内容を見分ける手段として役立ちます。

 

牛乳パック

牛乳パックの上部には、半円形の「切り欠き」が付いています。
これは、牛乳とほかの飲料を触って見分けるための工夫です。
暗い場所や手が濡れているときでも判別しやすく、見た目に頼らず使える点が特長です。

ペットボトル

ペットボトルには、持ちやすいくびれや、軽い力で開けやすい波型キャップが採用されています。
くびれがあることで手にフィットしやすくなり、握力の弱い子どもや高齢者でも安定して持ちやすくなります。

缶詰

最近の缶詰には、切り口が鋭くなりにくい安全設計が施されています。
ソフトタブタイプもあり、指の力が弱い方でも開けやすくなっています。

 

シャンプー・リンスのボトル

シャンプーボトルの側面には、触ると分かるギザギザが付いており、目で確認しなくても、触るだけでシャンプーとリンスを見分けられます。
各メーカーがこの仕様を採用しているため、ブランドが違っても同じ感覚で使いやすくなっています。

 

スパウトパウチ

最近では、スパウトパウチと呼ばれる液体容器でも、ユニバーサルデザインの取り組みが進んでいます。
開けやすさや使いきりやすさに着目し、キャップの形状や注ぎ口の設計に工夫が凝らされています。
アスカカンパニー株式会社が提供するASシリーズでは、化粧品向けにデザイン性の高いキャップを開発しています。

様々な形のスパウトと機能性キャップ

AS8.7オーバルキャップは、楕円形で指にフィットしやすく、握力の弱い方でも開けやすい設計です。
美しいフォルムを保ちながら、化粧品ブランドの世界観を損なわない意匠性にも配慮しています。
ASシリーズには、特許を取得した吐出調整弁が搭載されており、握力の弱い方でも量を調節しやすい機能を備えています。
再封性にも優れているため、最後まで衛生的に使いきりやすい点も特長です。
ASシリーズのスパウトパウチについては、こちらからご相談ください。

スパウトパウチ製品のご相談はこちらから

 

パッケージをユニバーサルデザインにするメリット

パッケージにユニバーサルデザインを取り入れることは、企業にとって多くのメリットがあります。
単なる社会貢献にとどまらず、ビジネスの面でも明確な利点があります。

 

ユーザー体験が改善され満足度が向上する

「開けにくい」「どこから開ければよいか分からない」といった小さなストレスは、リピート購入率を下げる要因になります。
使いやすいパッケージは、製品そのものの品質とは別に、顧客満足度を高める要素になります。

 

顧客層が拡大する・利用継続率が高まる

従来のパッケージでは対象外だった高齢者、子ども、外国人、障がいのある方にもアプローチできます。
たとえば、握力の弱い高齢者が「開けられないから買わない」と判断していた製品も、ユニバーサルデザインの導入によって購入対象になります。

 

投資家やパートナー企業からの信頼が向上する

ESG投資やCSRの観点から、企業の社会的責任を果たす姿勢が重視される時代になっています。ユニバーサルデザインの導入は「すべての人に配慮したものづくり」を示す取り組みとして、投資家や取引先、顧客などからの信頼獲得につながります。

 

イノベーション力を強化できる

「誰でも使える」という制約は、これまでにない形状や機能を生み出すきっかけになります。ASシリーズのような多彩なキャップも「開けやすさ」と「デザイン性」をどう両立させるかという課題に向き合うなかで生まれた製品です。

 

パッケージにおけるユニバーサルデザインの考え方

では、ユニバーサルデザインの7原則を、パッケージ設計ではどのように取り入れればよいのでしょうか。ここでは、実務で優先したい5つの視点を紹介します。

 

誰でも同じように使える

誰でも同じように使えるパッケージにするには、利き手や言語、見え方の違いに配慮することが大切です。
たとえば、左右どちらからでも開封できるジッパーや、ピクトグラムで使い方を伝える表示が挙げられます。また、色覚の多様性にも配慮し、色だけに頼らず、形や文字でも情報を伝えることも重要です。

 

負担の少ない動作で扱える

握力が低下した高齢者や、手の小さい子どもでも扱いやすい形状を設計します。
たとえば、キャップに滑り止めの凹凸を付けたり、開封時に「パキッ」という音で確認できる仕組みを取り入れたりすることで、少ない力でも確実に操作しやすくなります。

 

安全に利用できる

ケガや誤飲を防ぐための安全性の確保は、ユニバーサルデザインの基本です。
たとえば、開け口が鋭くなりにくい構造や、子どもが誤って開けにくいチャイルドロック機能などが挙げられます。
アスカカンパニー株式会社のタンパー付きキャップは、未開封であることを見た目でも確認しやすい設計です。

 

情報がすぐ分かる

可読性の高いUDフォントや、一目で分かるピクトグラムの活用が有効です。
重要な情報は、色だけで伝えるのではなく、フォントを変えたり囲み線を付けたりすることで、より多くの人に確実に伝わりやすくなります。

 

廃棄や分別が容易でかさばらない

畳みやすさや、素材の分別しやすさといった、使用後の利便性も重要です。
スパウトパウチは、使い終わった後に小さく畳みやすく、ごみの減容化にもつながります。
また、キャップとパウチを簡単に分けられる構造であれば、高齢者でも迷わずリサイクルに出しやすくなります。

【ハード】パッケージにユニバーサルデザインを取り入れる方法①

パッケージそのものの形状や構造を工夫することで、ユニバーサルデザインを実現できます。
開封のしやすさを高めるには、左右どちらからでも開けられるジッパー開封タイプや、道具を使わず手で開けられるミシン目加工が有効です。
さらに、開け口を見つけやすくするために「OPEN」と記載したり、色を付けて目立たせたりする工夫も欠かせません。
また、持ちやすさへの配慮も重要です。
ボトルやパウチに適度なくびれを設けることで、手にフィットしやすくなります。
濡れた手でも滑りにくい表面加工や、握りやすいサイズ感を意識することも大切です。
化粧品向けパッケージでは、デザイン性とユニバーサルデザインの両立が課題になります。
アスカカンパニー株式会社のAS8.7オーバルキャップは、楕円形の形状が指にフィットし、開けやすさを実現しながら、化粧品としての美しさも損なわない設計です。
機能性とデザイン性は両立できることを示す一例といえます。
さらに、注ぎ口や吐出機構の工夫も重要です。
ASシリーズに搭載された吐出調整弁は、握る力の強弱によって吐出量を調整できる特許技術で、握力の弱い方でも少量ずつ出しやすくなっています。
再封性の確保も、利便性を高めるポイントです。
一度開封した後もしっかり閉められる構造であれば、内容物の劣化を防ぎ、最後まで衛生的に使いやすくなります。

【ソフト】パッケージにユニバーサルデザインを取り入れる方法②

印刷や視覚情報の工夫によって、既存のパッケージでもユニバーサルデザインを取り入れることができます。
形状を変えずに対応できるため、比較的導入しやすい点が特長です。ここでは、目的別に具体的な工夫を整理して紹介します。

目的 取り入れたい工夫
文字を読みやすくする 長い文章には明朝体、短い文章や見出しにはゴシック体など、内容に応じて書体を使い分けます。
さらに読みやすさを高めたい場合は、UDフォントの採用や文字サイズの拡大も有効です。
情報の優先度を伝える 色だけでなく、太字や囲み、アイコンを組み合わせることで、重要な情報が伝わりやすくなります。
色の違いを分かりやすくする 似た色を多用せず、暖色と寒色の差を活かします。色だけに頼らず、囲みや記号も併用することで、情報の判別性が高まります。
触覚でも情報を伝える 点字シールや点文字、シルク印刷などを活用することで、既存のデザインを大きく変えずに触覚で伝える工夫を加えられます。
情報を整理して伝える 重要な情報を先に示し、視線の流れに沿って自然に内容を理解できるようにします。必要に応じて図表を活用すると、より分かりやすく伝えられます。

 

まとめ

ユニバーサルデザインの導入は「妥協」ではなく、新しいブランド価値の創造です。
誰もが使いやすいパッケージは、顧客満足度の向上、新規顧客層の開拓、企業イメージの向上といった、ビジネス上の明確なメリットにつながります。
7つの原則を意識しながら、ハード面である形状や構造と、ソフト面である印刷や表示の両方を見直すことで、機能性とデザイン性を両立したパッケージを実現できます。
スパウトパウチをはじめとする詰め替え容器でも、ユニバーサルデザインの取り組みは進んでいます。
開けやすさ、注ぎやすさ、再封性といった機能面の工夫に加え、デザイン性の高いキャップや特許技術を活用することで、差別化につながるパッケージを提供できます。

スパウトパウチを導入する際には、内容物との相性や充填条件、使い勝手の良さに加え、環境への配慮など、事前に確認すべきポイントが数多く存在します。
弊社の「ASシリーズ」は、豊富なラインナップと確かな技術力を活かし、お客さまの用途や課題に応じたきめ細やかな提案が可能です。
容器選定や溶着試作、カスタマイズのご相談にも対応し、開発段階から量産化を見据えたパッケージづくりをサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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