加速する環境規制 ― 2026年8月、EU「PPWR」が包装業界を変える
プラスチックをはじめとする包装資材を取り巻く環境は、いま世界規模で大きな転換期を迎えています。
その中でも注目すべき制度が、2026年8月から本格適用されるEUの「PPWR(Packaging and Packaging Waste Regulation:包装・包装廃棄物規則)」です。
PPWRは、EU市場で流通する包装材に対し、リサイクルしやすい設計(リサイクル適性)の確保や、再生プラスチック・バイオマスプラスチックの活用などを段階的に求める新たな規則です。
これまで以上に、包装そのものの環境性能が重視される時代へと移り変わろうとしています。
PPWRが目指すのは、単なる環境負荷の低減ではありません。
- 包装廃棄物の削減
- リサイクルしやすい包装設計への転換
- 再生プラスチックの利用拡大
- 包装資材の再使用(リユース)の推進
こうした取り組みを通じて、「使って捨てる包装」から「資源として循環する包装」への転換を促し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現を目指しています。
また、この規則はEU域内だけの話ではありません。
EUへ製品を輸出する企業はもちろん、将来的に海外展開を視野に入れる日本企業にとっても、無関係ではない制度です。
環境対応が製品選定の条件となるケースは今後さらに増えることが予想され、包装設計の考え方そのものが大きく変わる可能性があります。
これからは、「環境対応」は付加価値ではなく、市場で選ばれるための基本要件となる時代です。
こうした変化に対応するため、包装メーカーやプラスチック成形メーカーにも、より高度な技術力と環境配慮設計が求められています。
環境対応が企業価値を左右する時代に
しかし、実務レベルにおいては、欧州現地で非常に緊迫した動きが起きています。
大手企業連合による「適用スケジュールの延期」を求めるロビー活動や、EU当局による「具体的な技術仕様(実施細則や評価方法)」の策定の遅れなどから、「対応したくても、技術的な詳細基準が未だ不透明で動き出せない」という、手探りの状態であるのも事実です。
とはいえ、ルールが決まるまで待っているわけにもいきません。
国内市場に目を向けても、2026年4月施行の改正資源有効利用促進法などにより、再生材の利用目標や資源循環の仕組みづくりが強く求められるようになりました。
環境対応はもはや「コストをかけた社会貢献」ではなく、生き残りをかけた「投資・企業の競争力」そのものへと変化しているのかもしれません。
グローバル基準をクリアする「ISCC PLUS認証」
こうしたルールが未確定で、厳しいグローバル規制に直面するお客様に向けて、プラスチック成形メーカーである弊社がご紹介したいのが「ISCC PLUS認証」です。
ISCC PLUS認証とは、持続可能なバイオマスやリサイクル原料を、複雑なサプライチェーンにおいて厳格に管理するための国際的な認証制度です。
現在、環境対応の有力な選択肢として注目されているのが「マスバランス方式(物質収支方式)」によるバイオマスプラスチックです。

これは、原料から製品への加工・流通プロセスの特性上、バイオマス原料と石油由来原料が混ざり合ってしまう場合でも、投入したバイオマス原料の割合に応じて、特定の製品にその特性を割り当てることができる仕組みです。
このマスバランス方式を採用した製品にバイオマスとしての価値を正しく付与し、対外的に証明するためには、サプライチェーン全体での透明性とトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が欠かせません。
アスカカンパニーが持つISCC PLUS認証は、この製造・流通プロセスの透明性を第三者機関によって厳格に証明するものであり、PPWRをはじめとするグローバルな環境規制の要求をクリアするための強固なエビデンスとなります。

マスバランス方式の例
環境対応をともに進めるパートナーとして
アスカカンパニーは、これまでも「ASスパウトシリーズ」などの製品を通じて、プラスチック使用量の削減(リデュース)を推進してきました。
さらに一歩進んだバイオマスプラスチックの社会実装や、設計段階からのモノマテリアル化(単一素材化)といった高度な環境対応に向け、技術開発を日々進めています。
「欧州規制への対応方法がわからない」
「自社製品にどうやってバイオマスプラスチックを取り入れればよいか悩んでいる」
といった課題を抱えるお客様は、ぜひ弊社にご相談いただきたいと思います。
Writer:HIDE




