プラスチックごみ汚染と聞いて、何を思い浮かべますか?
海洋プラスチックごみ、マイクロプラスチック、廃プラ問題などが挙がって来るかと思います。
中でも海洋プラスチックごみ問題については、世界全体での取り組みが急務であるといわれています。
事実として日本の周辺海域は海洋ごみのホットスポットとなっており、日本は他人事だと静観できる立場ではありません。
では、世界の国々がどのような共通ビジョンを持って取組みをしているのでしょうか?
海洋プラスチックごみ問題っていつからあるの?
そもそも、海洋プラスチックごみが「問題」として認識されたのはいつなのでしょうか?
2015年G7エルマウ・サミットで海洋ごみ、特にプラスチックごみが世界的課題であることが初めて問題提起され、そこから毎年世界の主要国間で議論が交わされるようになりました。
翌2016年のダボス会議で「世界の海に漂うプラスチックごみの量は、実効的なアクションをとらなければ、2050年までに魚の量を上回る」と警鐘が鳴らされたことは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
経済産業省>審議会>産業構造審議会>産業技術環境分科会>廃棄物・リサイクル小委員会 >レジ袋有料化に係る背景について
2023年4月 海洋プラスチックごみ問題に新たな数値目標が!
今年4月、札幌で開催されたG7気候・エネルギー・環境相会合にて、新たな数値目標として「 2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心を持って、プラスチック汚染を終わらせる」ことが確約されました。
世界で協力して早く何とかするべき!と「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の2050年までに…から10年の前倒しの目標設定となったのです。
そして、2024年末までに海洋環境等におけるプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書の策定完了を目指す、ともされており踏み込んだ議論の元の合意だということが伺えます。
対策の対象となるプラスチック汚染として以下が挙げられており、国際文書の策定により私たちの生活にも影響が出てきそうです。
- 使い捨てプラスチック
- リサイクル不可能なプラスチック及び有害な添加物を含むプラスチック
- マイクロプラスチック
- 遺棄・放棄された漁具(ALDFG)
<豆知識>
G7とは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国及び欧州連合(EU)
私たちの生活は変わる?
海洋プラスチックごみ問題に対する世界の取組みはここ数年で加速しています。
身近なところでは、これまで無料配布されていたレジ袋(やプラスチックカトラリー)が有料化されたり、環境に配慮した製品につけられるマークを目にする機会が増えたりと私たちの生活にも少しずつ変化が生じています。
世界の動きに沿って、今後日本でもリサイクルがより促進され、私たちには分別への協力が求められること、またそれに要する費用の負担(商品価格に含まれる、課税等)が予想されます。
この変化の背景には何があるのか?何に繋がっていくのか?私たち一人ひとりが少し考えるだけでも、できることが広がっていくのかもしれません。
アスカカンパニーは、プラスチック製品の製造事業者です。
ブランドオーナー様のニーズに沿った製品開発に努めるとともに、CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)に加盟、MBBP(海洋生分解性プラスチック)開発プラットフォームに参画し、海洋プラスチックごみ汚染問題に対してアスカカンパニーとしてできることを模索し続けて参ります。
海洋生分解性シリーズ
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後6
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後5
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後4
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後3
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後2
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後1
- 海洋生分解性プラスチック開発プラットフォームへ参画
Marine-Biodegradable Biomass Plastics(MBBP) MBBP プラットフォーム代表幹事
宇山 浩(大阪大学大学院工学研究科・教授)
徐 于懿(大阪大学大学院工学研究科・助教)
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