今回は、2023年2月に公開したVol.1、7月に公開したVol.2に引き続き、AS16スパウト軽量化の進捗についてご紹介させていただきます。
プラ使用量が削減効果のあるスパウトパウチからもっとプラ使用量を削減するために 昨今のプラスチック環境問題が進む中で、スパウトパウチ(スパウト付きパウチ、スタンディングパウチ等)が環境対応容器ということ ... AS16スパウト軽量化進行中! 2023年2月8日に公開したブログ『よりプラ削減が出来る『軽量スパウト』に挑戦中!』にて、アスカカンパニーが開発・評価に取り組んでいる軽量化スパウトについてご紹介させて ...
よりプラ削減が出来る『軽量スパウト』に挑戦中!Vol.1
よりプラ削減が出来る『軽量スパウト』に挑戦中!Vol.2
軽量スパウトに挑む経緯を振り返り
はじめに、軽量スパウト開発の経緯を再度ご説明させていただきます。
活動の背景として、現在、海洋汚染といった環境問題への対応や法律の施行により、プラスチックの減量化・減容化が求められています。
れに伴い本体容器よりもプラスチックの減量化ができる詰め替え容器が増加し、スパウト付きパウチの需要も高まっています。
スパウトは、熱溶着に耐えられるよう溶着部が肉厚に設計されています。そこで弊社では、この溶着部の形状を見直し、少しでもプラスチック量を減らせないかと検討を進めてきました。
狙いとしてはプラスチック使用量減による加工ロス減・成形時間短縮による消費エネルギー減とCO2排出削減があります。
※詳細については、Vol.1 の「よりプラ削減ができる『軽量スパウト』に挑戦中!」をご覧ください。
約20%軽量化された『AS16スパウト』の試作
弊社では、以前より「要求品質を満たした、25%軽量化AS16スパウトの完成(市場品と同程度の溶着強度で、内容物が漏れないこと)」を目標に開発を進めておりました。
しかし、前回まで検討していた軽量AS16スパウトは、実際の生産ラインに流した時の不安定さや、軽量化の割合が多すぎることによる機能的な弊害が見られ、同形状で開発を進めることは難しいことが分かりました。
そこから約2年。
長い検討の末に問題点を解決した形状にたどり着き、試作を行いました。
開発用モールド(樹脂型:アジャイルモールド)を用いた試作ながら、形状自体の成形は問題なく成功しました!

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開発用モールドのご紹介【ASKA MARKET NEWS 2024年04月号 第350号】
いつもマーケットニュースをご覧いただきありがとうございます。 アスカカンパニーでは開発スピードを上げるために開発用モールドという金型を用いた開発を行っております。 今回はその開発用モールドについて自社 ...
課題
成形後、通常通りパウチとの溶着度合を確認する「剥離試験」・溶着が十分かを確認する「液漏れ試験」を行いました。

実際に溶着したサンプルと溶着部のアップ
結果、剥離試験の結果は現行形状と同等になっているものの、スパウトとパウチの間から液漏れが発生してしまいました。
現状の分析としては、
- 簡易金型で成形したため形状が完全ではなく、溶着面の密着性が不足した可能性
- 溶着条件が適切ではなかった可能性
このあたりを主な原因として考えられています。
「簡易金型ゆえの成形不良」や「溶着条件」が要因として濃厚なため、改善の余地は十分にあります。
今後の展望
次のステップとしては、軽量化スパウトに合った溶着条件の追究を進める予定です。
最適な溶着条件を見つけ、今回の課題が解決できるかどうかを確認していきます。
軽量化による環境負荷低減を実現するため、引き続き前向きに検証を進めていきます。
今後も進捗があり次第、皆さまにご報告いたします!
Writer:たまごどうふ





