大きなキャップの機能とデザイン性
弊社ではスパウトパウチの活用を様々な形で提案しています。
ポンプを使うスパウトパウチや、スパウトパウチを化粧品向けなどオシャレにグレードアップさせるデザインキャップなど、いろいろな方面に向けて開発を行っています。
今回は『持ちやすさとデザイン性を兼ね備えたキャップ』をご紹介します。
名称はAS5スパウトとAS5オーバルキャップです。
AS5スパウトはAS5と名がついていることでもわかると思いますが、Φ5mmというかなり小さい径のものになります。
そしてAS5オーバルキャップはスパウト部分の先端よりも大きい、持ちやすさと掴みやすさを重視した楕円形状のキャップとなります。

AS5オーバルキャップ
このAS5オーバルキャップは2つの部品を組み合わせるキャップです。
オーバルとは卵型や楕円形のような緩やかな円形のことで、掴みやすい柔らかな形状の外キャップとスパウトと接続する内キャップで構成されています。

左から外キャップ・内キャップ・AS5スパウト・スパウトとのセット品
キャップのサイズ感は少し小さめですが女性の手にフィットする2.5センチ程度。
天面側は凹凸のないなだらかなカーブで仕上げており、触り心地もよいキャップです。

握りやすさ・掴みやすさを考え、女性の手にフィットするサイズ感に仕上げています
2部品を組み合わせるキャップの利点
2部品を組み合わせているAS5オーバルキャップのメリットはいくつかあります。
1. 成形性の良さ
このキャップは内キャップと外キャップの2部品を組み合わせる2ピースキャップです。
部品が2つあるということと、2つを組み合わせるための作業を含めて少々コストメリットがないように見えます。
しかし、1つの成形品としてこの形状を作ると、とても肉厚で大量のプラスチックを使用する必要があります。
また、熱可塑性樹脂(熱で溶ける)を使用したプラスチック射出成形品は、分厚くなればなるほど冷えて固まる際にヒケという凹みやゆがみが大きくなり成形性が悪くなりますので、成形の面において2ピースキャップのメリットがあります。
2. 活用デザインの多彩さ
2つのキャップを組み合わせるということは、内キャップと外キャップに違う樹脂やカラーを適用することで変化をもたらすことが出来ます。
普段1色だったキャップに対し2色の様々な組み合わせを試せますので、製品によってはカラーラインアップなどのイメージ対応も容易です。
また外キャップを透明や半透明にするなども可能ですが、その場合内側の内キャップの形状が見えてしまいます。
そのため、外キャップの裏面に蒸着などの加飾を行うことにより内キャップの形状を隠しつつ金属特有の美しさと重厚感を持たせる・・・といった方法もあります。
また外キャップの外観のテクスチャーに独特な形状をお求めの場合にはデジタルシボ D3テクスチャー(別のタブで開く)などの加工もご相談いただけます。
3. 環境対応樹脂を活用しやすい
環境配慮が進んでいく環境対応樹脂を使った成形品を使用したい、というニーズがあります。
さまざまな環境対応樹脂が開発されていますが、汎用プラスチックに比べて内容物との相性が懸念事項になることがあり、実際に活用できるシーンというのが少なくなっています。
このキャップは2部品となっているため、外キャップに環境対応樹脂を、内キャップに汎用プラスチックを使用することで、内容物に対する相性を考えることなく自由度高く環境樹脂を活用することが出来ます。

外キャップの樹脂を自由に選択できる(左側の茶色の外キャップは環境対応樹脂)
倒立タイプでのスパウトパウチ活用
スパウトパウチはスタンディングパウチともいうように『立たせる』ことのイメージがあるのではないでしょうか。
今回のAS5オーバルキャップはキャップ天面が広くなだらかになっています。
そのため、チューブキャップにあるように反転して立たせる『倒立』が行えます。
射出成型時に樹脂の入り口となるゲート部分を内側に隠しているため、外観的に美しいのはもちろん安定して倒立させる要因の一つになっています。

倒立させたミニスパウトパウチ
倒立できることも大事ですが、今回のキャップは『パウチとほぼ隙間がないデザイン』となっています。
スパウトパウチにおいて生産ライン上で使用する『吊りフランジ』という部分がありますが、このASオーバルキャップのスパウトには吊りフランジがありません。
弊社製品のAS9.5スパウトにも吊りフランジがない形状を適用しています。
吊りフランジがないためキャップとパウチとの一体感があり、全体的にすっきりとしたイメージとなります。
また、濡れるような場所で使用する際に倒立させておくとキャップの裾に水がたまる、というようなことがありますが、このAS5オーバルキャップではキャップの裏面を平らにして水がたまる可能性を無くしていますので、風呂場や洗面所などでの運用に適しています。

パウチ部分とキャップに隙間がない一体感のあるデザイン
実際にサンプルを見てみたい方は是非ご相談から!
ここまで、様々な利点を紹介させていただきましたAS5スパウトとAS5オーバルキャップ。
このキャップにご興味がありましたら、ご連絡いただければサンプルキャップとスパウトパウチを持参してご説明に参らせていただきます。
また、AS5スパウトやオーバルキャップに限らずご相談をお受けさせていただきますので、こういったことをしてみたいなどの希望も含めてお気軽にご連絡いただけると幸いです。
Writer:もふもふ