環境ブログ 昨年末のブログでご紹介しました、「酸素バリアが約50%向上するスパウト」につきまして、様々なお問い合わせを頂いております。
-
酸素バリアが約50%向上するスパウトを開発!
スパウトパウチに対する『バリア性』という課題 「ポリエチレンは酸素バリアがあまり良くない」というのは容器包装に携わる方の中では周知の事実です。 そのため、酸素バリアを必要とする包材においてはポリエチレ ...
その中で、「内容物に対して実際にはどのような効果があるのかわかるといいのになぁ」というご意見を多数いただきましたので、社内で簡単な実験をしてみました!
酸素バリア性UP実験の内容物は『アボカドペースト』
内容物は、アボカドで、スパウトパウチに充填しやすいようにペースト状にしたものです。
生のアボカドを調理する時をイメージしていただくとわかるように、アボカドには酸化による褐変が出やすい特徴があります。
他にもリンゴや桃、ショウガなど同様の特徴を持っている身近な素材は多くあります。
今回なぜアボカドを選択したのかというと、その加工のしやすさと、入手のしやすさからです。
内容物を選ぶ際、まず懸念事項として生の素材をペースト状に加工するとその過程で酸化が進んだり、空気を内包してしまいその影響で充填後のバリア性を正しく評価できなかったりする可能性を考えました。
そうなるとペースト状のものが密封された状態で市販されている、もしくは固形でも密封された状態で市販されていて、未開封の状態でも簡単にペースト状に加工できる、のいずれかが望ましいと考えました。
その基準で選ぶに至ったのが、アボカドでした。
いざ実験!
市場のニーズとしては、スパウトに近いところから変色や内容物の劣化が起こっているのを何とかできないか?とのお声を頂いていました。
スパウトのギリギリまでアボカドを充填して、あとは冷暗所に保管して変化を観察する日々。
※パウチフィルムの構成:NY(ナイロン)|透明蒸着PET|LLDPE
現行のスパウト・キャップを用いた『通常のスパウトパウチ容器』と、バリアスパウト・バリアキャップを用いた『バリアスパウトパウチ容器』で比較することにしました。
30日経過して、何となくスパウト部の内容物の色味に変化が見られるような気がするものの、写真では判別できない程度でした。
一度開封してしまうと、バリア性能を判別できなくなってしまうので、我慢・・・。
45日経っても写真では判別しがたい状況でした。
60日後、写真では判別しがたいものの、開封して内容物を出せば変化が見れるぐらいの差がでている!と判断することができました。
本当に酸素バリア性がUPしているのか?結果は!?
60日後の、スパウト部分に充填されていたアボカドを押し出して比較した様子がこちらです。
通常のスパウトパウチとバリアスパウトパウチでは、内容物の状態に明らかな差が見られました。
通常のスパウトパウチでは内容物の劣化が原因とみられる色、形状、状態と見た目の変化が顕著であるのに対し、バリアスパウトパウチではその変化が抑制できていることがよくわかりました。
今回のものはアボカドを用いた簡易実験の結果となりますので、これで様々な内容物に対する効果が認められました!と断言できるものではありません。
とはいえ、スパウト・キャップ部分の酸素バリア性が50%向上するということは、やはり内容物への酸化劣化を抑えることに役立つことがわかり、開発側としては嬉しい限りです。
賞味期限延長によるフードロス削減、輸送時の温度管理の緩和、内容物の保護などお客様のニーズにお応えできれば・・・と考えております。
バリアスパウト・キャップへのご質問、サンプル依頼などがございましたら是非お気軽にお問合せ下さいませ。
Writer: