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流動解析のご紹介【ASKA MARKET NEWS 2017年7月 第266号】



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流動解析のご紹介【ASKA MARKET NEWS 2017年7月 第266号】

安定した生産が出来る金型を造り上げるために設計時に流動解析機能で金型全体の解析を徹底的に行う

今回は、アスカカンパニー保有技術としての「流動解析」をご紹介いたします。
射出成形において安定した品質・生産性をさらに向上させるには製品設計や金型が重要な要素です。
もちろんノウハウや経験も大切ですが、設計・開発段階で樹脂流動解析ソフトを活用することが、予測される不具合を未然に防ぐための一つの手段となり、試作回数の削減や薄肉化の検討などにも活用できます。

 

アスカカンパニーで使用している流動解析ソフトのご紹介

アスカカンパニーでは樹脂流動解析ソフトとしてオートデスク社のMoldFlow ADVISER(モールドフローアドバイザー)を導入しています。
このソフトでは以下のような解析を行う事が可能です。
ただし、流動解析ソフトを使いこなすレベルに到達するには、成形に関わる知識・技能が高い事が基本です。
また解析データ読み取りにも力量が必要となります。

【解析内容】

〇Dual-Domain解析(薄肉製品)
〇完全3D解析(肉厚製品)
〇充填解析
・射出圧力
・エアートラップ(ボイド)
・ウェルドライン
・ショートモールド
〇ゲート位置解析
〇モールディングウィンドウ(成形条件)解析
〇ヒケ解析
〇設計アドバイザー解析(製品形状評価)
〇冷却品質解析
〇ランナーバランス解析
〇ランナーサイズ最適化解析
〇冷却解析
〇保圧解析
〇反り・変形解析

 

こんなイメージで流動解析をしています

解析の活用具体例

解析内容の中にある多くの項目の一つに、「エアートラップ(ボイド)」があります。これについて少しご説明します。
エアートラップとは、成形品の内部にできる「気泡」です。肉厚製品に多く見られますが、エアートラップがあることによって製品に必要な強度が出なかったり、透明品などでは外観不良になったりします。
流動解析結果からエアートラップが確認できた場合、基本的には原因は大きく2種類に分けられます。
1つは成形時に金型内で空気やガスを巻き込み気泡として成形品に残ってしまうこと、もう1つは肉厚成形品で樹脂が冷え固まるときに収縮して内部で真空の状態になり気泡状い出現しまうことです。
エアートラップを解決する対策としては、金型の適切な箇所にガス抜きを追加することや、ゲート位置をエアートラップ近くに変更したり、また厚みを薄くすることで解決することが可能であったりします。

 

流動解析活用事例のご紹介

活用事例①

「エアートラップ(ボイド)」の位置が製品の強度低下や外観不良の原因となりますが、流動解析であらかじめ予見することができ、製品形状の変更や樹脂の入り口となるゲート位置を変更するなどの方法で対策を行うことが可能です。

活用事例②

今までの経験や知識に基づくランナー設計と流動解析の結果を基に最適なランナーデザインを作り出します。
ランナーは溶融した樹脂を成形機のノズルから金型の製品部分まで運ぶ役割をしており、製品の品質を安定させるために大変重要な部分です。

例えば製作時期が古くランナーバランスが悪い金型を流動解析を用いて充填シュミレーションし、最適なランナーデザインに変更することも可能です。
新製品だけでなく、現状ある金型のランナーの問題を解決することにも活用できます。
参考>>ASKA MARKET NEWS 2016年11月号 No.258 ランナーデザインのお話し

 

開発のプロセスのご紹介

製品形状の打合せから量産までの流れをご紹介します。
お客様と弊社コーディネーターと設計担当者でキャッチボールを繰り返させていただき、ご要望の機能を満たした形状を図面化していきます。
そして金型起工をし、金型完成後試作を行い、検収完了後に量産へと移行していきます。

 

流動解析受託のご紹介

アスカカンパニーでは流動解析のみの受託もしております。
フリーのビュアーをダウンロードしていただくことで、お客様自身で流動解析を体験していただけるようになっております。
すでに多くのお客様に活用していただいておりますので、是非お問い合わせください。
データ提供いただきますと、1部品につき、30,000円で流動解析結果を提供させていただきます。

 

将来の成形業界と流動解析への思い

最後になりましたが、プラスチック成形分野では高い品質は勿論のこと、アジャイル型開発などのご要望では製品開発スピードをチームとして取り組む中では一つのツールとして有効だと感じています。

ソフトウェアの解析結果はあくまでも1つの判断材料ととらえ、ノウハウや経験と照らし合わせて検証していく事が重要だと考えています。
検証結果を蓄積し、実績を積み重ねていく事で今後のモノづくりに繋げていくことができ、さらなる品質の向上と、安定した製品の提供に努めて参ります。

ASKA MARKET NEWS 2017年7月号のダウンロードはこちらをクリック。

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