海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォームとは?
海洋生分解性バイオマスプラスチック(Marine-Biodegradable Biomass Plastics以下MBBP)開発プラットフォームでは、その趣旨に賛同する42の機関が参画(2022.11.30現在)し、大阪大学の研究開発成果を元にした「デンプンをきっかけに海洋生分解するプラスチック製品の開発・普及」に取り組んでいます。
MBBP開発プラットフォームについての詳細はこちらから(別タブで開きます)
そして、アスカカンパニーはMBBPの趣旨に賛同し、射出成形メーカーとして参画しています。
具体的な取組み内容は?
アスカカンパニーがMBBPに参画させて頂いてから、約2年が経ちました。
その間、セミナーや講演会などで勉強する機会や参画機関の皆様ともお話しする機会を頂いたり、MBBPで開発する樹脂で試作評価をしたりと色んな取組みをして参りました。
今回は、直近で試作評価したサンプルをご紹介したいと思います。
試作品のご紹介
これまでは「硬くて曲げても折れないもの」を目指してMBBP樹脂設計と試作評価を行ってきましたが、今回は0.4㎜の「薄肉部がある製品でも成形できる」ことを目指しました。
今回の成形品には肉厚0.4㎜のヒンジ部分があり、嵌合させて使用する設計となっています。
そのため、薄肉部に樹脂が流れることと、嵌合させる時にヒンジ部が切れないことが必要です。
これまでの硬い樹脂設計ではこの要件を満足しないため、樹脂設計からのスタートとなりました。
大阪大学の宇山研究室の先生方をはじめ参画機関の企業様にご協力頂き、目指した成形品を得ることができました。
PPやPEと比べるとヒンジ部分の強度に不安が残りますが、ワンウェイの製品ですので許容範囲と考えております。
展示会での反応は?
今回の試作品は、10月に行われましたTOKYO PACKにて展示させて頂きました。
ブースにご来場頂いたお客様の反応としましては、「MBBPって何?」「どんなことしてるの?」「こんな製品作ってるんですね」「コストは?」など、手に取ってサンプルを見て頂き、少なからずご興味を持って頂けました。
アスカカンパニーとしてできること
海洋プラスチックごみを多く流出している一部の国とは異なり、日本はごみの回収・処理が上手く機能している国です。
そのため、日常で使用するプラスチック製品が海洋に流出する可能性は高くはなく、海洋生分解性樹脂への変更を推奨されるものは限られています。
バイオプラスチック導入ロードマップでは、肥料に用いる被覆材、漁具等水産用生産資材について海洋生分解性プラスチックの導入が適しているとされています。
アスカカンパニーでは、選択肢の一つとして海洋生分解性樹脂をご提案することができます。
その他にもお客様のニーズに沿った環境に配慮した製品をご提案できるように、アスカカンパニーとしてできること、やるべきことを考え、引き続き取り組んで参ります。
海洋生分解性シリーズ
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後6
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後5
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後4
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後3
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後2
- 海洋生分解性バイオマスプラスチック開発プラットフォーム参画のその後1
- 海洋生分解性プラスチック開発プラットフォームへ参画
Marine-Biodegradable Biomass Plastics(MBBP) MBBP プラットフォーム代表幹事
宇山 浩(大阪大学大学院工学研究科・教授)
徐 于懿(大阪大学大学院工学研究科・助教)
Writer: