特殊な技能がなくてもデータを解析できるツール『Historian』
アスカカンパニーでは『Historian(ヒストリアン)』というツールを活用しています。
Historianは外部で制作されたツールで、弊社はCIS(Camera information system:カメラ検査のデータを一元管理し、解析環境を提供するソフトウェア)やMiS(Machine information system:様々な成形機
データを一元管理し、見える化するソフトウェア)などシステムを内製出来るのが強みでもありますが、こういった外部のシステムを導入することも進めています。
上記のソフトウェアはサーバやネットワークが必要な仕組みということもあり、システム部で運用するようになっています。
ただ、これらのシステムの一部を変更するには都度システム部とのやり取りが必要で、製造側で様々なセンサやツールを短期間でつけたり外したりするのには向いておらず、このHistorianはその部分がとても楽にできるということで採用しました。
導入にあたって、メーカー様にいろいろと説明頂きました。ありがとうございます。
※Historianの説明で使用された資料より
実際に使用してみた『Historian』のいいところ
使いこなすまでには少々時間がかかりましたが、その後はとても有意義に時間を使うことができるようになりました。
今までデータで話すために『データの収集』『Excelなどでまとめる(グラフ化)』『データの解析』などを手作業で注意深く時間をかけて行っていましたが、データ編集の時間が無くなりました。
グラフ化もデータを選択するだけで簡単にでき、それらを一元管理できるダッシュボード作成機能、コンテンツの共有やCSVにダウンロードなど必要な機能が揃っているため、いろいろな用途が考えられます。
※Historianの説明で使用された資料より
Historianにより製造側で管理する機器に関しては、機器を設置する度に行う必要があったシステム部とのすり合わせが不要となりました。
試してみたいと思っていたことが簡単にできるようになったので、センサーやデバイスを必要に応じて設置しやすくなりました。
その結果、2022年4月の時点での本社・関西工場内の製造エリア内のセンサ数は107機、その他デバイスを合わせて170個近く、その後も増え続けています。
実際のデータの活用方法
① 空調の監視と管理
成形工場は23℃になるように空調を行っており、その温度管理は外調機を用いて外気の取り込み(何層ものフィルターを通して)と場内のエアコンの2つの空調で対応しています。
外調機には夏や冬の季節の変化に応じた簡単な操作しかなく、実際の外気温に合わせた仕組みはありません。
取り込んだ外気が暑ければ、その外気を取り込んだ成形内部も暑くなるためエアコンを強くする必要があり、それは寒い時も同様です。
外気が基準値より高い、あるいは低い時に、無駄な外気の取り込みをやめればエアコンの電力を抑えることができるのではないかと考え、外調機の運転自動化を行いたいと考えました。
ただ、実際に外調機を自動的にON/OFFする温度は何度がいいのか、外調機の出力をどれくらいにすればいいのか等の、情報がなく効率的に稼働できる状態を見つけるためにテストを行いました。
Historianに外気温や場内のエアコンの電力、外調機の出力等の情報を入れ、その状態で外調機の設定を変化させてどのようになるのか確認。データより一番効率のいい動かし方を決めることが出来ました。
実際の効果の確認は、2022年の夏を超えたときに判明します。
②検品者の作業負荷
関西工場の2成形と呼ばれる生産場には、製品の特性上スタック(縦に積まれた)された製品を手作業で検品して箱詰めを行うラインがあります。そのラインにて検品台に向かい検品箱詰め作業をしている方の作業開始のタイミングや連続検査時間など、また号機や製品毎に検査時間が変わるか等を調査しました。
このデータを実際に活用していくのはこれからですが、様々な作業負荷の理解は他の作業などでも活用できるものだと思います。
アスカカンパニーでは様々な部署、様々な形でデータ活用が盛んに行われています。
データ活用自体に親しみがある上に、データ活用の方法の模索や使い方の教育などが定期的に行われています。
会社全体で行われるIoT活用が弊社の強みであり、進化の源でもあります。