改ざん防止機能が付いたキャップは商品を店頭で安全に販売できる
今回のマーケットニュースも前回に続いてフランスで売られている商品のご紹介です。
容器のいたずら防止機能の解説となりますので、わかりやすさを意識しましたが、なかなか難しいです。ご理解いただければ幸いです。
フランスでは古くから、いたずら防止(改ざん防止やピルファープルーフとも言われます)機能が容器やキャップに直接付いている商品がたくさんあります。日本では一旦密封した容器をシュリンクフィルムで覆うという二次加工でいたずら防止対策をすることが主流ですが、フランスでは容器そのものにいたずら防止機能を設けるという考え方が根付いているのかもしれません。キャップや容器との組み合わせによっていたずら防止の機能を持たせているものが日本に比べて多いと感じます。
日本ではいたずら防止機能が完璧でないと採用されないケースが多くあります。シュリンクフィルムの歴史が長く、消費者からすると開封時にフィルムを破り取る習慣が身についていて、違和感なく開封できることも事実です。またメーカーの立場としても歴史を含めてシュリンク加工の設備が充実している事もあるのでしょう。いたずら防止機能にも国によって文化の違いがあるように感じます。
下の写真はフランスで販売されている飲料水のエビアンのボトル用ヒンジキャップです。こちらのキャップは一般的なペットボトルのねじ式キャップの上にヒンジキャップがくっついた形状になっているため、2ヶ所にいたずら防止機能が必要になります。
1つ目はねじ式キャップのいたずら防止機能です。これは一般的なペットボトルの
ねじ式キャップと同様で、キャップと一体で形成されたバンドがあり、
キャップのネジを回して開封するとバンドが切れるので、一度開栓されたことがわかるようになっています。
2つ目はヒンジキャップのいたずら防止機能です。ヒンジキャップ部分に、赤色半透明にした中に白色で小さな連結ヒモで連結された部品(写真:①の部分)がセットされています。
ヒンジキャップを初めて開栓する時に、この連結ヒモが引きちぎれる事で開栓の証拠を残します。
(写真:②の部分)このような工夫で、いたずら防止の機能を備えています。
次にチューブ容器です。
写真はラミネートチューブに入ったチョコレートソースです。とても美味しそうです・・・
チューブ全体の写真を見て頂くと、イラストの正面がチューブの正面になるように上部がシールされていますが、キャップは正面が一致していません。
写真ではキャップの指かけ位置が裏側にあり、キャップ開閉の支点となるヒンジ機能が写真の右側から正面に近いところまできています。
日本ではチューブ正面に対してキャップの指かけ部分も正面に来るよう設計し生産を行います。
日本ではあまり見かけないおおらかな設計です。
いたずら防止機能は指かけ部(写真:③の部分)に存在します。
わかりにくいかもしれませんが、こちらを切り取ればロックが解除できて開封できるという仕組みです。
ロックが2ヶ所ついています。
今回は切り取らずに開けてみました。
これが可能という事は、悪意があればいたずら可能という事になります。
ヒンジ機能はバタフライ型のヒンジです。
フランスだけでなくヨーロッパ各国では様々ないたずら防止機能のついた容器が作られています。
これも一つの容器文化の特徴だと感じます。