今回のマーケットニュースでは、本社S/Nファクトリーの生産エリアにおけるエアコンの自動制御について、IoTの活用事例としてご紹介します。
弊社の生産エリアは、成形機からの放熱がある為、複数のエアコンが年中冷房設定になっています。
しかし、その設定は外気温の高低に関わらず一定であり、必要なエアコン台数が見直されていませんでした。
今回、エアコンの自動制御で、生産エリアの室温を保ちつつ必要な電力のみ使用できるよう取り組みました。
空調設備の稼働状況を把握
まず、室外機の稼働状況を把握するため、配電盤に電流値測定キットを設置し、1年間の電流値を取得しました。
結果、外気温の低い冬季は電流値が低く、6台のうち2台しか稼働していないことが分かりました。さらに、時間帯によって短時間でON/OFFを繰り返す事象も発生していました。
室内機では、外気温の低い冬季は冷房設定から送風設定に自動切替され、不要に稼働していることが分かりました。
人に頼らないエアコンの操作
不要な稼働をなくすため、温度と電流値のデータから、生産エリアの室温を保ちつつエアコンのON/OFFを自動でできるようにしました。
エアコンのON/OFF操作には、スイッチボットを使用しました。スイッチボットと 機器を連携させ、遠隔操作が可能になります。こちらをエアコン6台すべてに設置しました。
データの連携による自動化システムを構築
生産エリアの温度を計測するRaspberry Pi(小型のシングルボードコンピュータ)と、室内機の電流値を計測するRaspberry Piから取得したデータを連携し、各機のON/OFFを行う最適な時間と室温の指定を行いました。
データを連携し自動化システムを構築することで、人に頼らないエアコンの操作が可能となりました。
気になる効果は?
効果として、実験を行った2024年1月から5月の5か月間で2022年同月より76.1MWhの電力を減らし、約71%の削減となりました。
年間試算すると170.7MWhの電力が削減できる見込みです。
アスカカンパニーでは、センサデータを活用する仕組みが様々な場所・形で運用されています。
これらはデジタル改善活動と人材育成セミナーや夜間無人化セミナーという形でノウハウを提供しておりますので、ご興味ございましたらお問い合わせいただければ幸いです。
これからも更なるIoT化、データの活用を行うことで生産効率を向上し、お客様と脱炭素社会に貢献してまいります。