マーケットニュース

酸素バリア性の『見える化』について【ASKA MARKET NEWS 2025年06月号 第364号】



ASKA Market News Since1995




  1. HOME >
  2. マーケットニュース >

酸素バリア性の『見える化』について【ASKA MARKET NEWS 2025年06月号 第364号】

ブログでも度々登場している「バリア性」。
今回は、2025年4月のMK発表会(弊社のQCサークル活動発表会)で公開した、製品の酸素バリア性を『見える化』する方法をご紹介します。

バリア性とは?

バリア性は、気体や水分・臭気などを『遮断する特性』のことです。
例えば、食品を酸素バリア性がある容器に入れて保管すると食品の酸化を防ぐことができるため、賞味期限が延長されフードロス削減につながります。
しかし、いくらパウチ容器にバリア性があっても、パウチと共に使用されるキャップやスパウトにバリア性がないとそこから酸素が透過してしまい、中身の品質劣化や変色を招くという課題がありました。

 

酸素バリア性を持ったキャップ・スパウト

そこで、アスカカンパニーでは酸素バリア性を持ったキャップ・スパウトの『ASバリアスパウト』を開発しました!
そして外部機関にて試験を実施したところ、酸素透過度が約半分に抑えられている結果が得られました。
しかし、外部試験を実施するのは時間も費用もかかる上に、酸素透過度の数値だけではバリア性の良さを実感していただけないことも悩みでした。

現行の樹脂とバリア性改善開発品の酸素透過性の評価比較

バリア性を社内で評価するには

酸素バリア性は主に食品に求められるバリア性です。
バリア性を実感していただくためには実際に中身を入れて評価するのがいいのでは?ということで、違いが出やすい内容物や保管条件を探した結果『大根おろしをスパウトパウチに入れ、60℃程度の恒温環境下に1週間程度保管する』という結論にたどり着きました。
実際に中身を入れて評価した結果がこちらです。(※パウチは同じものを使用)

バリア性を内容物の変化で比較した写真

左:バリア性あり、右:バリア性なしのキャップ・スパウト

バリア性がない方は全体的に変色しており、バリア性がある方は変色が抑えられていることが目視にて判別が可能です。
この評価を実施することによって、実際に中身を入れたときのイメージを持っていただきやすくなるのでは?と考えています!
また、バリア性の有無や程度を社内で判断可能にすることは、正確なバリア性把握のために外部試験を行う必要がある場合においても、試作したサンプルの中の『可能性が高い対象』に絞り込むための指標となります。
可能性が高い対象のみを外部試験に出すことが出来るため、試験時間や試験費用の節約というメリットがあります。

バリア性スパウトパウチでテストのご相談承ります!

今回は酸素バリア性の見える化についてご紹介しました。
「この内容物で試験できないか?」「この条件で試験できないか?」といったご相談も承ります。
バリア性について気になった方は弊社営業担当までご連絡ください。

-マーケットニュース

S